96エーカーの森から〜全曲解説

ソロアルバム「96エーカーの森から」を手に取ってくれた皆さん。ありがとう。

録音してから本当に長い時間が経ってしまいました。

ハードディスククラッシュによるマスター音源の消失などいろんなトラブルがありましたが、皆さんのおかげでなんとかリリースできました。

楽しんでいただけたら嬉しいです。


1:ハローサンシャイン

僕らの森に、朝がやってきた。という歌。

イメージはキンクスのヴィレッジグリーンです。

初めて弾くバンジョーはとっても難しかった。

僕らは、命を食べている。

たくましく、つつましく生きて行きたいという願いをこめてます。


 

2:スタンド・バイ・ミー

丘の斜面をなでて吹く風をイメージしました。

アコースティックな響きと、ちょっと童話的な世界。それも珍しく暗くない(笑)

憧れは捨てなくていいというのが言いたかった一言かな。

曲はこのアルバム用に作りました。頭の中にあったアレンジにかなり近いできでした。

地味だけど、案外無理やりなコード進行があったりして、好きです。


 

3:スカンジナビア

寒い、冬の海岸の歌を囲うと思ったんですが、なぜか場所はスカンジナビア半島に。フィヨルドも針葉樹もあるかどうかわからず地図を見ながら作って、あとで確認しました。針葉樹もきっとあるはず(笑)

主人公の男女が森の中の療養所にいる。

麻薬中毒で犯罪を犯した男に面会に来る彼女

ホスピスで最後を待つ男をたずねる恋人

どっちのシチュエーションかで描こうとしました。さてどう感じますか?


 

4:フライ/クライ

なぜ「ふらい~くらい~」と歌いだしたのか意味がいまだにわかりません。ギターのアルペジオに導かれてできた曲です。

暗い森の、湖のむこうでふさぎこんでいる大蛇。とても寂しい光景だと思います。

世の中は「元気を出して」って応援する歌ばかり。

ほんとに悲しんでる人にそんなこと、いえないよなと思って作りました。

世界なんて、ぱっと変わる。

だれにも止められない。



5:かえるのうた

もし、カエルが井戸に落ちたら、そこで一生を終えるのかな?そう思ったときにこの歌はできました。貞子のおかげも少しあります(笑)

井戸の中から空を見るとまん丸に切り取られてる。そこから得る情報は少しかもしれないけど、カエルは好奇心のアンテナを広げて、いろんな世界を垣間見ます。

夢の波紋が帰ってくる~広がるというフレーズが好きですね。

かなわない夢はいきつもどりつして、そこにずっとあるんです。

 

 

6:あざらしのうた

レゲエアレンジをやってみたくて。すべての楽器は一発録音なので。ベースがえらく難しかったです。途中のサックスは、怒鳴り込まれるかビクビクしながらワンテイク(笑)さらっと聞くとわからないかもだけ、結構エロチックかも。

おまじないってきっと誰かが勝手に考えたものだと思うんです。それが伝えられるたびにいろんな思いが重なって、呪文になる。そんなことを考えながら作りました。

 

 

7:ピンクの象

玄関の前でピンク色の小さい象が僕の帰りを待っていた。本当にそんな夢を見たんです。この歌のお話は結末まですべて夢で見ました。とても寂しいけど不思議に幸せな夢。起きてすぐメモを取って完成させました。お風呂の排水溝に挟まって泣いていたのはフィクションです。別冊マンガジジで、漫画化もしました。このアルバムがでるまでも、いろんな所で歌って、たくさんの人に愛されている曲です。

 

 

8:フライ・ウィズ・ミー

背中に羽根がはえてきても、人にはいえないよなあという気持ちから作り始めました。真夜中に抜け出して、二人で空をとび、朝が来る頃帰ってくる。ロマンチックなデートソングだと思ってます。ここでは指で遊べるシンセが大活躍してます。まあ、一発勝負録音なので音程が見事に外れてますが、それはほら「浮遊感」ということで。

 


9:トロッコに乗って
やっぱりロックンロールを入れたいなあと。これは96エーカーの森にやってきたロックバンドの演奏という設定です。内容はまあ、やっぱりデートソング。本当はこんなロックバンドでこんなギター弾くのが大好きなんですけど。すべて一発録音。ワンテイクです。
トロッコに乗っていくのは「小さな恋のメロディー」のネタです。大好きな映画。

 


10:君と歩けば
そして、ロックバンドのライブを見た森の仲間たちは、自分たちもバンドをやり始めました。ギター、ベース、サックスと歌。サックスの普通の部屋での一発録音は緊張しました。みんなの歌のようなかわいい歌をつくりたい。これは妻とのデートソングですね。森のみんなで歌ってスイングできる曲にしあがったかな?地味だけど気に入ってます。



11:まごころ
この曲が最大の難関でした。あるカフェの主催する「絵本よみきかせ」に音楽で参加したときに聞いたお話がヒントになっています。曲はすっとできたけど、アレンジが全然きまらならなくて。4バージョンあったんです。いまならもっとうまくできるかもしれないですが。甲子園の応援曲のイメージです。この曲をはずしてアルバムを作ろうかとも思ったんですが、やっぱり必要なピースなので。まごころは丸いから転がっていかないように。って割といい歌詞だと思うんです。

 


12:小さな橋
少年期を過ぎて大人になる。別れを告げて次のステップへいく。人生の節目節目で思い悩み考える。そんな人間を川は静かに見守っているんです。不安はそのまま不安なままで。
エンドロールです。
ほんとうはこの寂しい感じのあとに、NG集とかあるといいんですけどね。